業界初、0.3%低Agソルダペーストを開発

2011年3月1日

千住金属工業は、低コスト、高信頼性、高作業性を兼ね備えた次世代 リフロー実装用低Agソルダペーストを開発した。

現在、Pbフリー実装にはSnAgCu系はんだが定着しているが、主要元素であるSnやAgの価格が世界的な資源高騰機運の高まりを受け大幅に上昇しており、市場の関心ははんだ材料の低コスト化に注がれている。

既にフロー実装では、Agを0.3%に抑えた低コストはんだや、低コスト材料を使用したSnCu系はんだの導入が進んでいる。はんだ中のAg量の低下は、溶融温度の上昇と濡れ性の低下を招くリスクがあり、リフロー実装では基板や搭載部品の熱損傷と濡れ性の劣化が懸念される。加えて低銀化は、はんだはバルク強度と耐熱疲労性を確保するはんだ組織中のAg3Sn化合物量も減少させ、接合部の長期信頼性低下を招く恐れから、低Agソルダペーストの導入が遅れていた。

千住金属工業では、これらソルダペーストの低Ag化に伴う課題を、はんだ合金の主要元素(Sn,Ag,Cu)の他に微量なBi、Inなどの添加で、接続信頼性の向上と低融点化を図った。結果、Ag含有率の低下にもかかわらず、従来の3%Ag(M705)はんだと同等以上の耐熱疲労性を実現し、温度上昇も一般的な3元系SnAgCu 系低Agはんだよりも低く抑えることに成功した。

千住金属工業の低Agソルダペーストは、融点、信頼性、コストパフォーマンス全てのバランスに優れた1%Agの「M40」と、よりコストパフォーマンスに優れる0.3%Agの「M46」合金に、汎用フラックス「LS720」と、ハロゲンフリーフラックス「LS720HF」を組み合わせた低銀シリーズで製品化する。

低Ag合金を用いたソルダペーストは、既に薄型テレビ、パソコン等を製造する機器メーカーで導入されており、大幅な材料の低コスト化に貢献している。

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