女性の活躍する企業

千住金属工業では、世界中で全従業員の36% に及ぶ839名の女性社員が生き生きと活躍しています。一方で国内において、女性社員の活躍がこれから期待されています。2014年から経営職に女性役員を迎え、管理職に将来なれる女性社員の育成も始めました。また、育児休暇制度や介護休暇制度並びに嘱託制度を通じて雇用確保の措置を講じており、これらの制度を利用した女性社員を特集しました。

全従業員の国内海外人数比率と全従業員の男女比率

切磋琢磨して生きたい

佐藤 有香 取締役

共働きや少子化の流れの中、千住金属工業も社員研修などで男女の差を無くし、共に活躍できる体制を早急に整えなければなりません。但し「女性が活躍する企業」とは結果であり、目標にしてはいけないと思います。全社員が中長期の目標と目的意識を持ち、上司・同僚と共有しながら切磋琢磨していく企業であって欲しい。やりがいのある仕事をすれば良く、経営やマネジメントにやりがいを見出す人は、それに向かって努力し、時間に追われる出荷作業にやりがいを感じる人は、その為のスキルと知識を集める努力をすればよいでしょう。すべての仕事にノウハウが必要であり、何も考えずに済む仕事はありません。また、生きていくという事は、ある意味「人との乖離を埋める作業」であり、デジタル化が進む中、職場ではお客様とはもちろん、同僚、上司、部下間での「乖離を埋める」作業のできる社員がどれだけいるかが、企業の成長にとても重要だと思います。佐藤の家(創業家)に生まれ、育ててもらった事に感謝し、自分の置かれた立場を受け入れ、次の世代に会社を渡す時に、その時代に見合ったマーケットリーダーであり続ける会社であるために、今何が必要かを考えて毎日を過ごしています。さらに言えば、社員の皆様のご子息に就職口として「千住金属工業は良いぞ」と言ってもらえる企業でありたい。

大家族の一員として

周 荷青 統括部長

私は仕事を通して、「自立した人間の魅力」を身につけることができると感じています。家庭という狭い生活空間から飛び出し、視野を広げ、個性の良いところが表現でき、自信を持つことができるようになりました。上司から信頼をいただき、会社の経営管理にかかわる仕事を担当できることは、本当に光栄です。仕事中に問題を一つ一つ解決し、上司や同僚から認めていただいた時には、「特別な達成感」を感じます。
また、自分のチームを管理するにあたり、仕事中は常にオープンな人間関係を心がけています。問題があれば、チーム全員で話し合い、互いに学ぶことで他人の長所を取り入れたり自分の短所を補うようにしています。ただ単なる結果だけではなく、チームの仲間との交流を通じて、仕事に関する考え方を伝えたいと思っています。チームの仲間の成長を見る度に、本当に満足しています。そして、私にとって家庭と仕事は両方とも同じように大切です。仕事は丁寧に計画し、家に持ち帰らないようにすることが、家庭とのバランスを保つための秘訣です。健康管理のため、毎週運動することと、仕事と休みの時間を合理的に振り分ける努力をしています。最後に勉強についてですが、より仕事に生かすために会社が企画する専門知識に関する研修を受けています。また、それとは別に休みの時間を利用して、自分が興味のある未知の分野の勉強に参加することもあります。このように私は、千住金属工業という大家族の一員として働けることに、この上ない誇りと幸せを感じています!

後押しと気配り

Mari Kuhn
シニアマネージャー

上司、部下、家族から強力な支援をいただいていることが私の強みです。上司の心強いサポートで、自信を持って仕事を遂行し、柔軟に対応でき、権限を与えられてやりがいを感じています。どの職場にも緊張やストレスを感じるときがありますが、チームワークのよいカスタマー・サプライチェーン・マネジメント・グループの部下に恵まれ、緊張感を乗り越えて仕事ができます。
また家族の支えのおかげで、家庭の心配をせずに仕事に集中できます。仕事以外では、家族と過ごす時間を楽しんでいます。同僚や家族の支援という強い援護がなければ、仕事をうまく遂行することはかなり難しくなると思います。私自身がサポートの力と必要性を理解しているので、チームをできる限りサポートするように心掛けています。
私の部下は全て女性社員です。全員が自信を持って仕事に励めるように、より良い職場環境を築くことが重点目標の一つです。究極の目標は、チームのメンバーを千住金属工業の次世代の女性戦力に育てることです。このコミットメントによって、一人一人がさらなる重責を担えるようになり、個人として成功するだけでなく、会社の将来の発展と成功に寄与できるように実力を身につけて欲しいと願っています。

言語の知識が相互理解に繋がる

Elisabeth Kaplan
マネージャー

千住金属工業で15年以上営業職として勤務しています。幸いにして、日・英・独すべての国の語学ができるため、ヨーロッパの多くの国々のお客様と取引を行っています。そこで実感したのは各国の固有の文化を認め合いながら、言語の知識、特に英語を通じてのコミュニケーション能力の重要性です。言語の知識がなければ、現代のグローバル企業で業務を遂行することはほとんど不可能で、グローバル化、国際化の進展に伴い、相互理解のためにますます重要になるでしょう。私が日本について学習し、日本語を習得したことが、社内の、そしてお客様との意思疎通を促進するうえで役立っていることをうれしく思っています。趣味は、推理小説などの読書とハイキングです。

グローバルな視点を磨くために

岡田 咲枝 研究員

ハンダテクニカルセンターで、新製品の研究開発を行っています。女性の研究部員も多く在籍し、明るく活気のある職場です。お客様への技術サポートも重要な業務なので、お客様のニーズに合った製品を迅速に立ち上げる為に、国内外のお客様を訪問し、技術打ち合わせを行う機会も数多くあります。数年前から部内のチームリーダーと言う立場を任され、開発だけでなく、後輩の育成にも取り組んでいます。
また、2014 年11 月からは、中国深圳地区で、6 ヶ月の研修の機会をいただきました。
女性社員の長期研修は、今回が初めてですが、今後はますます増えていくと思います。男性社員と切磋琢磨する事も必要ですが、女性特有の感性を生かして、自分にしかできない仕事を見つけて行く事が重要だと感じています。研修を通して、グローバルな視点を身につけ、今後の仕事に役立てたいと考えています。今までは旅行が趣味なので、休暇を利用し、東南アジアやアフリカなど色々な国に行ってきました。今回の研修では、仕事だけでなく、中国の生活文化を学ぶ事も楽しみにしています。

時差をのり超えて

大山 恵美 課長(代)

私は、女性に重要な役割を任せる環境にある、海外営業部に務めています。海外営業部は、語学が堪能な若い世代が多い部署で、海外に拠点のある全ての国々からの要請に総勢35名で対応しています。
私自身はタイ語が得意なのでタイの担当です。タイの場合、時差が2時間なので、朝8時から11時の間に決裁書類や受注チェックリストの確認などの業務を熟すように努め、日本時間の11時から始業するタイの為に意図的に時間を割くように1日の業務配分を考えて仕事をしています。
立場上、部下に無理な仕事を依頼することも多く、相手に不快な思いをさせない、本人の適性に応じて仕事をお願いする、などの判断を即時に行わねばなりません。このような時は、チームワークを乱さないような言い回しや、やわらかい表現でお願いできるよう、普段から「課内外での交流関係」「仕事の癖」「上司から指摘を受ける傾向」などを、無意識に観察してきた結果が今では非常に役に立っています。部下の行動や思いをできるだけ把握できるよう、いつも努力しています。
また課内のミーティングでも、女性が堂々と発言しやすい雰囲気づくりを心掛けています。責任が重い立場ですが、ベリーダンスやカラオケ、化粧品集めでストレスを発散させています。

子育て期の管理職として

東 美帆子 室長

品質監査室長として、はんだ部門・軸受部門の品質・環境ISO 関係を統轄して管理しています。家庭では3人の子供がおり、子育てをしながら働いています。
管理職は、男女を問わず責任が重いですが権限も与えられているため、ある程度自分の企画で仕事を進めることができ、自由度が高く楽しさも大きいと思います。私は、このような満足感や仕事の楽しさを、ぜひ多くの女性にも味わってもらいたいと考えています。「子育て期」にある女性管理職として、私は家庭と仕事のバランスを上手くとるように、一日を自分の中では家庭50%、仕事50%になるよう心掛けています。妊娠や出産は女性にしかできませんし、どうしても男性よりは「家族との縛り」を大きく受けやすく、家事や育児を担当する割合なども多くなりがちです。ただ、こうした家族との縛りを受けやすい時期は、長い仕事人生の中でも一時期なので、会社の制度を上手く利用するなど、周囲の協力を得て乗り越えていけば良いのではないでしょうか。
仕事上では、重要案件を控えていても、子供の急病などで突然早退や休暇を取得せねばならない時もありますが、そういった際には、部下に業務を安心して任せられるように日頃から育成を心掛けています。その分、常日頃から部下への感謝の気持ちは忘れないようにしています。
疲れたときには、リフレッシュとして、ゆっくりスキンケアの時間をとるなど、息抜きの時間を作るようにしています。また、難しい仕事にチャレンジして達成した時など「頑張って良かったな」と満足感を味わった場合は、自分へのご褒美を買うなどして楽しみも忘れないようにしています。

ダイバーシティ勉強会

さまざまな立場で働く社員の違いを受けいれ、活かす目的で本社と栃木事業所が合同で始めました。ワークライフバランスを保つ上で、仕事を続けていく上での気がかり、大変なこと、工夫 していることなどを協議しています。

多民族・多宗教の中で

Hanita Samahさん

私は、日本とマレーシア間の輸出入業務と機械部品・電気部品や文房具の購買業務を行っており、入社20年目を迎えますが、充実した快適な仕事人生を送ってきました。マレーシアは、マレー人・中国人・インド人の多民族国家で、宗教もイスラム教・仏教・キリスト教と多岐にわたりますが、多様性豊かな国や職場に誇りを感じると共に、同僚たちとは兄弟や姉妹のように楽しく仕事をしています。医療給付や保険、毎年企画される夕食会や社内旅行など、全従業員を対象とした優れた福利厚生制度の恩恵を受けており、毎月の誕生祝賀会では全従業員が美味しいバースデーケーキと食事でお祝いをします。ボウリングやバトミントン大会を毎年開催し健康にも留意してくれ、従業員にきめ細かな支援と配慮をしてくださる会社に大変感謝しています。私は、定年まで千住金属工業で働き続けることを楽しみにしています。

我が子の一番の先生になりたい

王 海燕さん

昨年、健康で可愛らしい男児の母になりました。日々成長する我が子を見て、毎日が幸せと喜びに輝いています。産休が終わる前日、ビル・ゲイツの母親の新聞記事を読みました。彼女は毎日いくつもの仕事を掛け持ちしながら、彼と妹を育てたそうです。また、そのことで、愚痴を言うことは一度もなかったそうです。仕事を大事にする姿勢こそ彼女が伝えたかった貴重な資質だったと気づき、私が努力することで子供にとって一番の先生になりたいと思いました。それでも当初は慣れず、夜は子供の世話で何度も起こされ、昼間の仕事も激務でした。毎日子どもをあやして眠らせた後は、本当にくたくたでした。そこで、少しずつ自分の時間をとるようにして、事前に計画を考え、作業効率を上げ、家庭と仕事を管理する術を体得しました。
母になること以上に「難しい」ことはないと悟った今は、仕事上の問題に直面しても、常に積極的な姿勢で対応できます。新しい生活リズムにも慣れ、精神的にもずっと落ち着き、自分に自信が持てるようになりました。この小さな命の成育に以前よりもずっと重い責任を感じ、仕事もより真剣に注意深く行うようになりました。母になると皆一層注意深くなるのは、母性本能によるものでしょう。子供は母親が一生懸命仕事をするための原動力であり、仕事に励む母親は子供にとって一番のお手本だと思います。