「輪=和」で繋ぐ 本社

昭和13年4月に千住鉛工場として創業する前の昭和初期、本社のある旧日光街道の千住大橋界隈には、5つの会社が並んで建っており「千住の金属街」と呼ばれていました。この金属街に持ち込めば大抵の物は作ってくれるとの評判から、多くの特殊金属加工の仕事が持ち込まれたようです。現在、「下町の金属屋」として出発した千住金属工業は、海外14の製造拠点と25の営業拠点でグローバルに事業を展開しています。この特集は、各方面でお世話になっているステークホルダーの皆様の声をご紹介致します。

お客様

TDK株式会社 生産本部
資材・ロジスティクスグループ
ゼネラルマネージャー
小金 正樹

受動部品の接続材料として無鉛はんだペーストを評価認定させていただき、1988年に鉛フリー化プロジェクトを全社へ展開したときの貢献が忘れられません。営業部門の価格対応力と技術部門の分析力と評価力には大いに満足しています。また、化学物質規制に対する環境対応や積極的な紛争フリー宣言によるコンプライアンス対応を牽引していただいたり、サプライヤー会議での発表等の幅広い活動から絶大な安心感と信頼を寄せております。昨今の戦略的な買収等を通じて海外拠点数が急増しており、今後は、より密なコミュニケーションとコラボレーション関係を大切に、グローバルなパートナーシップを確立させていただきたいです。

調達取引先

有岡電機工業株式会社
代表取締役社長
有岡 良洋

先代が社長を務めていた1958年から60年近くのお付き合いになります。千住金属工業の東京工場や栃木事業所の松山工場の構内配線工事を中心に、1980年ごろには、はんだ付け機器システムの制御ソフトウェアの開発支援もさせていただきました。いつも、世界トップクラスのはんだ材料メーカーのお仕事をさせていただいていることに、地元の同業者から羨ましがられています。省エネや資源有効利用(リサイクル)など環境への配慮や、鉛フリーはんだのように環境に優しい商品を続々と誕生させている千住金属工業の益々の発展を期待しています。

調達取引先

右から井戸端靖GM・中島志享チーフプロデューサー・藤井忍シニアディレクター・松田敦之シニアディレクター・ 澤田滋シニアプロデューサー・松野卓コピーライター

TDKデザイン株式会社
ゼネラルマネージャー
井戸端 靖

2010年6月のJPCA展でのブース設計と設営のお手伝いをさせていただいたのが最初の出会いです。パネル1枚からはじまり少しずつ信頼関係を築きながら、現在では展示会からWEB、映像、印刷物までトータルでプロデュースさせていただいております。私たちにとってはんだ材料は未知の分野で、内容を理解するにも大変でしたが、そのような中でも新しい挑戦となる制作物の発注をいただき、弊社のクリエイティブの幅を格段に広げていただいております。特に、チャレンジングな提案を、「面白いから、やってみよう」と採用していただいた時は感慨深いものがございました。今後は、千住金属工業の創業80周年に向けて、さらに様々な分野や国々でお手伝いさせていただければと思います。

地域社会

今野克憲 主事(中央) 浅沼潔 教諭(左) 飯岡満喜子就業支援員(右)

岩手県釜石商工高等学校 進路指導部
主事
今野 克憲

東日本大震災直後の昼のニュースで、当校生徒の就職内定先が海に流されてしまい途方に暮れている様子が映し出されました。過去7名の生徒を採用いただいている故佐藤会長が、社員食堂のテレビでそれを見て「何とか手助けしたい」と避難所に採用担当者を向かわせていただき、一人の女子高生の採用を決めていただきました。これが御縁で途切れていた採用が5年で11名になりました。この先輩が福利厚生の良さ、独自技術による最先端な企業、社会貢献に積極的な企業であることを後輩に伝えたことで、今では「千住金属工業は県外の就職先人気No.1」となっています。御社をよく知らなかった私は当初不安でしたが、帰省のたびに成長している生徒を見ていると、立派な会社なのだと実感しました。明るく元気な生徒を推薦していますので、これからも末永く多くの生徒を受け入れてほしいと思っています。

地域社会

とんかつ・魚がし料理 田中屋
店主 田中 延幸

戦前の68年ほど前に曽祖父が仕出し弁当屋として創業後、とんかつと魚がし料理が専門の居酒屋として私で四代目になり、日本百名居酒屋にも選ばれました。近くの足立市場からの新鮮な魚介類を使って、お好みの料理にもお応えしたり、取締役会の後などでもご利用いただいております。我々も、生前には佐藤一策前会長と伊豆へ小旅行に行くなど、家族的なお付き合いをさせていただきましたが、「家族的な、和気あいあいと一体感のある会社」だといつも思っています。大変暑い炎天下の中、毎月、店の近くの公道を清掃活動していただき、ありがたく思っています。

[産学連携] 世界標準の鉛フリーはんだをM705に決めた人々

鉛フリーはんだの使用が法制化されましたが、各企業の「どのような組成のはんだを使ってよいのかわからない」との悩みに応えるために、1999年に経済産業省が標準化を目的に「鉛フリー国家プロジェクト」を立ち上げ、各企業から技術者を招集しました。企業間の垣根を越えた信頼性・作業性・特許性評価などの活動は異例中の異例で“ものづくり日本”を立証し、千住金属工業の特許請求範囲に含まれているSn-3Ag-0.5Cu(M705)を標準材料に決め、世界を牽引しました。この特許を世界に公開したことで、どの企業も悩まずに品質の高い製品が製造できたと、改めて感謝された同窓会でした。

経済産業省・鉛フリー国家プロジェクトメンバーの15年ぶりの同窓会写真
前列右から :元 NEC 河野英一 氏、元 事務局 樋口和雄 氏、東京大学 須賀唯知 教授、
千住金属工業 長谷川永悦 相談役(ゲストとして)
後列右から :元 東芝 高橋邦明 氏、元 沖電気 武井利泰 氏、元 SONY 谷口芳邦 氏、富士通 山岸康男氏、
元 日立製作所 芹沢弘二 氏、元 パナソニック 末次憲一郎 氏、元 TDK 中村喜一 氏
欠席者 :大阪大学 菅沼克昭 教授、元 村田製作所 片岡功 氏

皆様からのご意見をいただいて

左から: 角屋敷敏丸副理事・国際事業部 大山恵美課長(代)営業一部 平山充芳部長・営業三部 清野雅文部長

千住金属工業が全てのステークホルダーの皆様と、長い時間をかけて信頼関係を築き上げてきたことを、改めて確認させていただき大変有意義でした。これからもステークホルダーの皆様の期待や要望に応えられるよう積極的に社会貢献を行い、より多くの機会を通じてグループの輪が広がるように日々努力してまいります。